『東風吹かば-菅家四代記-』       (前宮司鈴木嚴夫著)

権謀術策に翻弄され、左遷の憂き目に遭遇しても、自らに正直に生き、ひたすら学問の道を極めんとする菅原道真。本書は、道真とその父、是善、さらにその先代、清公、古人の菅原家四代を綴る歴史物語。 「自分をおとしめた人々を憎み、許すことのできない気持ちが抑えきれなかった。そのたびに神に祈るしかなかった。他人を憎むことをしない道真ではあるが、この気持ちはどうすることもできなかった。そして、この気持ちがいつかは爆発するのではないかと、自分自身をおそれるときもあった。」(本文より)